12月7日のシンポジウム『古代山城の土地開発と社会形成:環境整備と国際交流による変貌』のご案内(2025-11-14)

皆さん、元気ですか。久しぶりに投稿します。

この間、色々忙しくしていました。皆さんも忙しくしていることと思いますが、寒暖差が大きく、季節の代わり目ですので、どうか体調にも気を付けてください。

さて、12月7日にシンポジウム『古代山城の土地開発と社会形成』を開催します。南山城地域(京都府南部)に焦点をあて、古墳時代の大型古墳である久津川車塚古墳築造の背景を探ろうという内容です。といっても、今回は、古墳そのものを対象とするのではなく、古墳の周囲で見つかった土地開発にともなう大溝の形成を中心に据えて議論をします。これを弥生時代から説き起こし、東アジアの情勢との関連を考慮しながら、古墳時代へどのように展開するのかを考察します。大型古墳は突然出現したのでしょうか。あるいは、何かの背景があったのでしょうか。古墳とは異なる視点からみることで見えてくる、古墳時代の世界があるかもしれません。興味のある方は、是非会場へ足を運んでください。

 韓国ソウル大学の権五榮先生が、韓国の最先端の研究の内容を披露されます。(かなり十数年前の理解から発展しています。)朝鮮半島さらには、中国中原と遊牧民社会(モンゴル)との関係を研究されている中村大介さんも、広域の社会動向や物の流通を念頭に置きながら、弥生時代後期から古墳時代への東アジアの動向について述べられます。長友は、国際情勢と山城地域の遺跡の動向を結び付け、南山城地域の調査成果を発表される、小野さん、辻さん、福山さんへと襷を渡します。

 小野さんは、急速に古地形の実態が解明されつつある、巨椋池周辺の環境について論じ、辻さんは発掘調査された木津川中流右岸の地形形成を復元されます。これらをふまえて、福山さんが土地開発とその前後の周囲の地域の変遷を明らかにされます。さらに、視点を転じて、古代集落の特徴をとらえ、それが古墳時代のどこまでさかのぼりうるかを、道上さんが明らかにされます。そして、文献古代史の笹川さんは、丁寧に史料批判されながら国造研究から南山城地域について論じられます。1回のシンポジウムではもったいないくらいの盛りだくさんの内容ですので、必見です。お越しになれない方も、オンラインで聴講できますので、もしよければご参加ください。オンラインで参加の皆さんにもPDFで発表要旨を配布しますので、紙面発表される山本さんの鋭い古墳時代前期の論考と、金井さんの緻密な集落分析の成果を目にすることができます。

 

コメント