東アジア考古学会(Society for East Asian Archaeology)に参加して(2018.6.7~12)






第8回SEAA学会が中国南京大学で開催されました。立命館大学からは、矢野先生、中村大さん、博士後期課程のノクソンさん、長友が発表し、弥生古墳ゼミの学生2名も参加しました。日本の学会と異なるのは、参加者のほとんどが発表者という点です。発表を聞くだけという人がほとんどいないので、質疑応答は積極的におこなわれます。英語の苦手な人もコーヒーブレイクに発表者をつかまえて質問をするので、活発に議論がなされます
学会発表では窯セッションを作り、東アジアにおける窯の影響関係について自ら発表するとともに、モンゴル、韓半島、日本列島南端の窯と土器生産の発表をしていただきました。また、モンゴルセッションをはじめ、土器生産セッション、ガラスセッションなどで発表を聞き、大変刺激を受けました。そのほかにも、中国の新石器時代のセッションが多くもうけられ、自然科学的分析成果をはじめ、多角的なアプローチがなされました。
開会日には全体講演があり、学会中にも公開講演が開催されました。学会のエクスカーションでは、南京博物院や六朝博物館、南京市博物館などの展示見学で豊富な資料に圧倒されました。また、石斗城へ行き、三国時代の城壁も見学することができました。短い期間でしたが、多くの刺激を受け充実した時間となりました。    (文責:長友)

 今回の南京訪問では、研究会での学術発表と博物館や遺跡を見学したことで大いに知見が深まりました。特に研究会では国際的な研究会ということもあり、日本をはじめとする世界各国から研究者が集まって、各々の研究成果を検討し合っていました。その雰囲気・研究深度・広範囲にわたる視野には圧倒されるばかりで、その影響からか自身もモチベーションが非常に高まりました。また、現地では多くの研究者の方とお話する機会に恵まれました。諸先生方は自身の研究内容を真摯に聞いてくださったり、それに関わる情報を提供していただくなど、自身の研究の励みとなることをたくさんしていただきました。
 以上のような、大変実りある時間でした。今後、このような機会があれば積極的に参加していきたいですし、後輩たちにもぜひどんどん参加していってほしいとも思います。(文責:Y



自分にとって、SEAAは初めての海外で行われる考古学の学会でした。東アジア考古学会ということで日・中・韓の研究者が多いように感じましたが、実際には世界各地から研究者が集まっていました。研究者は各セッションで自分の研究成果を発表し、批判検討しあっていました。自分は発表を聞いている時、そして質疑応答の時間の時の研究者の雰囲気に圧倒されていました。彼らの常に何かを学び取ろうとする姿勢を自分も見習おうと思います。
セッションの合間に行った博物館見学もまた、自分にとって大きな成長の手助けになるものでした。自分の考古学的関心は専ら西日本・朝鮮半島に向いており、中国南部の遺物は殆ど見たことがありませんでした。しかし博物館で見た数々の遺物は、勿論今まで自分が見てきたものとは異なるものが大半でしたが、中には日本や韓国で目にしたことがあるものもありました。これから古墳時代という大陸との交流が盛んになる時代を研究するうえで、中国南部の遺物も勉強する必要を感じました。
この南京訪問において、自分が実感したことを一言で言い表すとするならば、それは「不足」です。まずセッションを聴講している際、全て英語で行われる発表を満足に理解できず語学力不足を感じました。そして、現地で交流させていた先生方との会話の際、知識不足を感じました。せめて自分の研究テーマだけでもしっかりと固め、自分の視点を持つべきでした。最後に、博物館での遺物見学の際に経験不足を感じました。これまで遺物を見る経験が少なかったので、新しいタイプの遺物を見てもそれがどういう意味を持つのか考えることができませんでした。総じて言うと、勉強不足というべきでしょう。

学会で最新の研究成果にふれ、沢山の先生方と交流し、沢山の遺物を見ることができた今回の訪問は、自分にとってとても有意義なものでした。この経験をいかし、これからの学習・研究に励んでいこうと思います。(文責:S)

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