読書のすすめ6(2020-4-30)


 皆さん、おはようございます。元気に過ごしていますか。さて、今日紹介するのは、山尾幸久さんの本です。

山尾幸久1977『日本国家の形成』岩波新書13、岩波書店
山尾幸久1989『古代の日朝関係』塙選書93、塙書房(写真は2003年、3版)

山尾幸久さんは、立命館大学の古代史(日本史研究)の教授で、和田先生とも親交が深い方でした。私は、やらずに後悔したことはこれまでほとんどないのですが、大学院で山尾先生の授業を取らなったことは、数少ない後悔の一つです。当時、非常に研究に厳しい教授として知られており、山尾先生の演習形式の授業を取る大学院生は大変少なかったのです。登録期間終了後に、私たち考古学の大学院生が山尾先生の授業をとらなかったことを知った和田先生は、「なんで取らへんかったんや!」と怒りをあらわにされていました。その後、山尾先生の著書を読みましたが、やはり直接授業でお話を聞きたかったなあ、と今でも思います。
さて、山尾幸久さんの論考には外交関係に関わる研究が多くあり、これは考古学を研究するものにとって、特に鉄器を研究する人にとって重要な研究となります。任那の大和政権による支配と理解されてきた部分をどのように読み解くか、百済記や百済本記の批判的検討が要になっています。是非、手に取って読んでみてください。

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